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2011.12.06 サイト開設
【狂える愛03】

▼ガイ×ルーク

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01】【02



 ガイは、目の前の男を見て、深々と溜め息をついた。

 ユリアシティを発ち、ベルケンドに着いた一行は、ひとまず宿で休むことにした。
 ガイとしても休息は願ってもいないことだったが、ここでひとつ問題が発生する。

 ――部屋割りである。

 宿には生憎と2人部屋3つしか空きがなく、必然的に2人で1部屋が割り当てられることになるのだが、つまり誰と誰が相部屋になるかを決めなければならない。
 まず女性ということで、アニスとナタリアが同室になった。
 アニスはイオンと同じ部屋が良いとごねたが、そうなると1人になったナタリアが誰か男と同室にならざるを得ない。
 ナタリア本人はアッシュと同室なら良いと言っていたが、それをアッシュが断固拒否した。結果、女性2人が同室となったのである。

 次に残った男性4人の部屋割りで、そしてこれこそがガイにとって1番の問題であった。
 いくら今では行動を共にしているとは言え、ついこの間まで敵だったアッシュと同室になる者を決めるのにひと悶着あったのだ。
 何度も誘拐された経験のあるイオンをアッシュの同室にすることをアニスは嫌がり、消去法でジェイドかガイのどちらかになるはずのところを、ジェイドがいつものように飄々と“幼馴染のガイこそが同室に相応しい”などとのたまった。
 それを聞いたナタリアが、“久々の再会なのだから積もる話もあるだろう、それが良い”と要らぬ後押しをしてくれたせいで、本人達の意思も聞かぬままガイとアッシュは同室になった。
 あてがわれた部屋に荷物を置いて早々、気まずい沈黙が2人の間に流れたのは言うまでもない。

 そもそも、確かにアッシュ――本物のルーク・フォン・ファブレはガイの幼馴染ではあるが、ガイは正直アッシュのことを憎みこそすれ好いてなどいなかった。
 皆には秘密にしているが、アッシュ――つまりオリジナルのルークは、ガイにとって憎き仇の息子だ。
 そして、ガイのその憎しみを解いてくれたのはアッシュではなく、レプリカであるルークだった。
 どちらが本物の“ルーク”かなど、ガイにとってはどうでも良いことで、むしろ復讐を忘れさせてくれたあの愛しい恋人がレプリカだと知り、喜びすら覚えた程だ。それと同時に、本物のルークへの憎しみが戻ってきた。アッシュへの態度はついつい辛辣になってしまい、聡いアッシュはガイの気持ちにとっくに気づいていることだろう。傍から見たら本当に幼馴染なのかと疑ってしまう程に、アッシュとガイはお互いに他人行儀だった。
 今も、目の前で仏頂面を浮かべてベッドに腰掛けているアッシュに、話しかけようなどという気はまったく起きない。向こうも、しかめ面で睨んでくるガイに話しかけはしないだろう。
 どうにもならない――だが確かに気まずいこの沈黙の中、大きな溜め息が漏れてしまうのも仕方がない。
 そしてガイは、目の前の男に瓜二つの、自分の最愛の恋人のことを想った。
 ユリアシティに置き去りにしてきてしまった彼は、今頃どうしているのか。もう目は覚めたのだろうか。体調はどうだろうか。目覚めた時に自分がいなくて、寂しい思いをしてはいないだろうか――そこまで考えて、ガイは酷い自己嫌悪に陥った。

(――自分で置いてきたくせに……今更会いたいと思うなんて、な)

 ガイはもう、見ていられなかったのだ。自分の愛する人が、庇う余地もない程に我儘で無責任に振る舞って、周りから呆れられ、嫌われるところを。
 だが、逃げるようにルークから離れ皆についてきたものの、彼らがここには居ないルークのことを悪く言うたび、腸が煮えくり返っていたのも事実だ。

(ルーク……)

 周りが何と言おうとも、ガイにとってのルークという存在は、色褪せずに残ったままだ。
 ガイは本気で、ルークの元へ行こうと考え始めていた。あの太陽のような笑顔に、早く会いたかった。会って、抱きしめて、伝えてやりたい。この胸の内に滾る想いを。

 ――ふいに、誰かがドアをノックする音が静かな室内に響いた。
 何も声をかけてこないということは、パーティメンバーではない。かと言って、宿の者も無言でドアを叩くことはしないだろう。
 ならば一体、誰が?――思わずアッシュに目配せすると、彼も怪訝そうな顔をしていた。
 すると、もう一度ノックの音がする。
 ドアに近い位置にいたガイが、ようやく立ち上がってドアノブに手をかけた。

 扉の向こうに居た人物を目にして、ガイは息が詰まった。

 そこに居たのは、先程まで早く会いたいと願っていた自分の最愛の恋人――ルークだった。
 ルークはガイを見上げて、ニコニコと嬉しそうに笑っている。よく見ると髪が短くなっているが、彼は紛れもなくガイの愛するルークその人だった。
 その右肩には、なぜか心配そうな顔でガイを見つめるミュウが乗っている。


「――ガイ、見ぃ~つけた!」


 まるでかくれんぼの鬼のように、ルークは弾んだ声で言った。



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実際ガイはアッシュのことは何だかんだで心の底から憎んではいないと思いますが、ルークに辛く当たるので嫌いなんですきっと←
ご都合主義ばんざぁーい!\(^o^)/

2011.12.14(Wed)

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