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2011.12.06 サイト開設
【狂える愛04】

▼ガイ×ルーク

▼Back Numbers
01】【02】【03



「ルーク……!? なんで、ここに――」
「ガイに会いに来たんだ」

 ガイの疑問に対して、ルークはやはり嬉しそうな笑顔で答える。
 ルークも己に会いたがっていてくれたのだと、ガイが喜びを感じたのも一瞬――同時に、なぜルークは、意識のない恋人を置き去りにした男に対して、こんな満面の笑みを見せるのかと不思議に思った。

「ルーク……怒って、ないのか……?」

 ガイが恐る恐る訊ねれば、本当に分かってないのかルークは目をまん丸くしてキョトンと首を傾げる。

「怒るって……何にだよ?」
「だって……俺は意識のないお前を置き去りにしたんだぞ!?」

 目の前に立つルークは、頬を薄紅に染めながらガイを見つめている。その表情はただただ幸せ一色で、怒りや悲しみなどの負の感情がまったく見えない。そのことが、なぜかは分からないが、奇妙で――恐ろしかった。
 ガイを見つめるルークの桜色の唇が、ゆっくりと開かれる。続いた言葉に、ガイは声を失った。


「良いんだ、ガイ……俺は分かってるから。俺とアッシュを間違えて、ついて行っちゃったんだろ?」


「――ッ……ルー、」
「ほら、髪切ったんだ。これでもう間違えない」

 ようやく、ガイは気づいた。
 自分を見つめるルークの瞳が虚ろなことに。その瞳はガイだけを映してはいるが、本当にガイを見ているのかすら怪しい。
 ガイが呆然としていると、ルークの両手がゆっくりと伸びてきて、ガイの頬をそっと包んだ。

「ガイ――」

 うっとりと、愛おしそうに、ルークがガイの名を呼ぶ。
 その様がどうしてか酷く恐ろしくて、ガイは思わずルークから逃げるように身を引いていた。

「……ガイ?」

 どこか傷ついたような顔で、ルークが不安そうにガイを呼ぶが、今のガイには動くことも言葉を発することもできなかった。目の前のルークは確かにルークなのに、まるで別人のように思えたのだ。
 こんなルークは知らない。こんな、こんな――


「――よくもまぁその面を見せられたもんだな、この屑が!」


 ガイの背後から、嫌悪に染まった罵声が飛んできた。そこでようやく、ここにはアッシュも居たことを思い出す。
 そして足音が近づいてきたと思うと、あっというまにアッシュはガイとルークの間に割って入っていた。

「――おま、えは、」

 アッシュの存在を認識した途端、ルークの様子ががらりと一変した。
 先程までの幸せそうな様子は消え失せ、今はただ呆然と無表情に、焦点の合わない目でアッシュを見つめている。
 肩の上にいるミュウが「ご主人様」と焦ったように呼ぶが、ルークには聞こえていないようだった。
 ルークは一瞬ガイに視線を向けると、すぐにまたアッシュを見る。

「――……やっぱり、」

 地を這うような低い声で、ルークは何事かを呟いた。
 かと思えば、次の瞬間には、腰の剣を引き抜きアッシュに切りかかっていた。

「やっぱりお前かああああ!!」

 憎悪に歪んだ顔で、ルークが叫ぶ。
 突然急変したルークに、ガイもアッシュも驚愕した。
 アッシュは寸でのところでルークの剣を受け止め、そのままギリギリと2人の剣が擦り合い、金属同士がぶつかり合う嫌な音が辺りに響く。
 ガイは、その様を信じられない思いで見つめていた。

「なっ――いきなり何のつもりだ、レプリカ!」

 さすがのアッシュも、ルークに突然切りかかられるとは思わなかったようで、驚きと焦りの混じり合った表情で叫び返した。
 一方ルークは、憎しみに顔を歪ませてただひたすらアッシュを睨んでいる。

「お前が――オリジナルが居るからっ! ガイは俺を見てくれないんだ!!」

 剣の交わりを絶ち後ろへと飛んだルークが、再びアッシュへと切りかかっていく。

「なっ……!?」
「お前さえ――お前さえ殺せばっ! ガイはまた俺を見てくれるんだあああ!!」
「何を、訳の分からねえことをゴチャゴチャと……!」

 どんどん打ち込んでくるルークに対し、アッシュは防戦一方になっていた。
 恐らく、今のアッシュにルークと戦う意志はない。だが反対に、ルークは本気でアッシュを殺そうとしているのが、容赦のない剣さばきを見ていて分かった。

 ――あの、命を奪うことを何よりも嫌っていたルークが、アッシュを本気で殺そうとしている。

 理由はもう、分かっていた。
 ルークは先程からずっと、アッシュを殺せばガイが再び自分を見てくれるのだと、狂ったように叫び続けている。
 そんなことをしなくとも、ガイが愛しているのはルークだけだというのに。

(……俺が……置き去りにしたせい、か……?)

 おかしいと思ったのだ。自分を置いてきた男に普通に笑いかけるなど。
 恐らくルークは、ガイがレプリカの自分ではなくオリジナルのアッシュを選んだのだと考え、絶望したのだ。
 だから、ガイがアッシュをルークと間違えたのだと“思い込んだ”。
 それはきっと、精神崩壊を防ぐための防衛本能だったのだろう。
 しかしその結果、ルークはこんなにも歪んでしまった。
 更に、宿でアッシュと同室なのを見られてしまったのも状況を悪化させているはずだ。

(俺の……せいで――)

 ルークへの罪悪感にガイが絶望しかけたその時、騒ぎを聞きつけた仲間たちの足音が聞こえた。



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…うん。
とりあえず、アッシュごめん。
病んでるルークも可愛いですよね←

2011.12.14(Wed)

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