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2011.12.06 サイト開設
【キミが居た未来01】

▼ジェイド×ルーク

ルーク逆行もの

*王道からかなりズレた逆行ものです。
*ルークが可哀想な目に合います。
*ジェイドが鬼畜眼鏡です。
捉え方によってはBAD ENDです。
BAD ENDじゃなくなりそうです。



 さわさわと、風が頬を撫でていくのをルークは感じた。

 草と土の湿った匂いと、海の塩の香り。手には冷たい草の感触。遠くで潮騒の音がする。
 そっと瞳を開けば、透き通った青空が目の前に広がっていた。
 ルークは、起き上がって辺りを見回す。
 そこには一面のセレニアの花畑があった。その向こうでは、青い海が地平線で空と混ざり合っている。
 それは、まるで天国のように美しい光景だったが、ルークはこの場所に見覚えがあった。

 ――タタル渓谷だ。


(俺……生きてる……?)


 ルークは崩壊するエルドラントで、地核へと落ちながらローレライを解放した。そして確かに、音素乖離で光となって消えたはずだ。彼の最期の記憶は、そこで途切れている。
 確かめるように自分の両手をまじまじと見たが、どちらも透き通ってはいない。血の通った、温かい、普通の手だった。
 ルークの願望は、ようやく確信へと変わる。

(――生きてる。俺は、生きてる……!)

 生きていられる。そのことがこんなにも――泣きたくなるくらいに嬉しい。
 自分には未来がある。この先があるのだ。

(――ジェイド)

 一番最初に思い浮かんだのは、大好きな恋人の顔だった。
 その瞬間、一刻も早くジェイドに会いたいという思いで胸が一杯になる。そして、ルークのことを待っているかの人に伝えたかった。
 “ただいま”と――

(約束……守れたよ、ジェイド)

 あれは、形だけの約束で終わるはずだった。ルークも、ジェイドも、他の者達も、心のどこかでルークはもう帰らないと思っていた。
 しかし何の奇跡か、ルークは今こうして生きている。約束は無事に果たされたのだ。

(……とりあえず、グランコクマに行こう)

 もしも戻って来れたら、ジェイドにまず先に会いに行くと、ルークはあの恋人と約束していた。
 ルークは立ち上がると、軽やかな足取りで渓谷を降りていく。
 この時のルークは、これから訪れる明るい未来を、信じて疑わなかった。

***

 ルークは休む間も惜しんで、ただひたすらグランコクマを目指した。
 ようやく目的地に着いた時には、既に疲労でクタクタだったが、ルークは今にも倒れそうな四肢を叱咤してグランコクマ城へと向かう。
 もうすぐジェイドに会える――その想いだけが、今のルークを突き動かしていた。

「――そこのお前、止まれ!」

 宮殿へと入ろうとするルークを、見張りの兵士達が呼び止めた。そして、行く手を阻むように、ルークの目の前で兵士達は手にしている槍を交差する。

「この先は王城だ。許可の無い者の立ち入りは禁じられている」
「あ……俺、は……ルーク――ルーク・フォン・ファブレ」
「……ファブレ……だと?」

 ルークの名を聞いた兵士が、怪訝な顔をしてルークの顔を不躾に見つめてきた。ルークはどうしてそんな風に見られるのか分からず、居心地悪そうに顔を強張らせる。
 兵士は、先程よりも厳しい表情で、ルークに問うた。

「この宮殿に何用だ?」
「えっと……ジェイド――ジェイド・カーティス大佐に会いたいんだけど……」

 正直に答えれば、兵士は益々胡散臭そうにルークを睨む。

「……お前は、キムラスカの者だな?」
「? そうだけど……」

 ルークがそう答えた途端、突然兵士達はルークの腕を背中でひねり上げて拘束した。

「なっ……!? 何すんだよ!!」
「黙れ! キムラスカ人が大佐に何の用だ!」
「お、俺はただジェイドに会いに来ただけだ!」
「怪しい奴め、連行しろ!」
「や、やめろ! 俺は不審者じゃない!」

 ルークの叫びも虚しく、兵士達はまったく聞く耳を持たずに、抵抗するルークを引きずるようにして宮殿の中へと向かう。
 ルークは何とか拘束から逃れようと藻掻いたが、兵士2人がかりで両腕をガッチリと掴まれていて、身動きが取れなかった。
 そうしてあっという間に、ルークは宮殿内の地下牢へと放り込まれる。勢いよく突き飛ばされたせいで、ルークは冷たい石造りの床に転がった。急いで身を起こしたルークが牢の出口を見やると、既に施錠を済ませた兵士達が地下牢から出て行くところだった。

「ま、待てよ! 出してくれ! ジェイドに会わせてくれよ……!!」

 鉄格子を掴んで前後に揺すってみても、頑丈なそれはビクともしない。
 とうとう、兵士達はルークを振り向くことなく行ってしまった。

「なんで……こんな……」

 なぜ自分が捕まったのか、ルークには理解できなかった。前に城を訪れた時は、こんなことにはならなかったのに。

「……はぁ」

 溜め息をひとつ吐いて、ルークはおとなしく牢に備え付けられている硬いベッドに腰掛けた。今は、ジタバタしても仕方がない。

(きっと何かの手違いだろうし……ジェイドに話が伝われば、すぐに出してくれるよな)

 ごろんとベッドに横になり、目を閉じる。
 寝る間も惜しんでグランコクマを目指したせいで、今になってどっと疲れが押し寄せてきた。
 ジェイドが来るまで少し眠ろう――そう思って、ルークは意識を手放した。



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逆行と言って良いのか分からない程に、王道な逆行展開を裏切っていきます(;´・ω・)
でもその内、王道な逆行も書きたいです←

2011.12.18(Sun)

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